約束の有効期限


新しい場所へ来た

車内から流れて行く外の風景を見た

初めての出会いが合った。

今日も何か新しい発見があるだろう。
もちろん今日だけではない、毎日同じと思えるような繰り返す
日々の中でも小さな発見がある。

世の中すべてを知っている人はいない。
すべてを知る必要もない
少し、ほんの少しづつ知って行けばいい。

藍色の空に真っ白な光が入り藍色が白色と混ざり
水色となり空の色が出来る。

本日、色を決める太陽の機嫌が良いのか、
薄く淡い水色で温かな光が入る日になるようだ。

そんな日差しが差し込む中、一人の少女が目を覚ました。
寝ぼけているのさ少女はベットから上半身だけ起こし部屋を見渡した。

「・・・ココは・・・・確か昨日東京から引っ越しをしたんだよね・・
 !!私の新しい部屋だ!」

見慣れぬ部屋に自分が何処にいる解らなくなり、考えていると
すぐさま答えを出し、布団から離れると
近くにあるタンスに近づきクリーム色のブラウスにGパンを手に取り
パジャマから着替えると自室のドアを開け階段を下り、
洗面所で洗顔と歯磨、髪をクシで解かすとキッチンに移動し
ダイニングテーブルに座り新聞を読んでいる父に挨拶をし、
キッチンに立っている母に近づき挨拶をし出来上がっている朝食を
父がいるテーブルに運び家族揃って食事を取る。

、お父さん達、今日から仕事に行くから
 学校が始まるまで一人になるが大丈夫か?」

朝食出された塩鮭の骨取りをしていた
心配そうに言葉をかけてきたが、

「うん、大丈夫」

箸の動きを止め、父親の言葉に笑顔で返すと

「そうか、も、もう中学生になるんだもんな」

大切な者を見る様な穏やかな眼でを見ながら
話をする為に止めていた箸を動かし朝食を食べる
父親に代わって今度は母親が声をかけて来た。

は、今日、何をして過ごす予定なの」

正面に座っている父親がら視線左に動かし
話し掛けて来た母親を見ながら

「今日は学校までの道を
 確かめに行こうかと思っているんだけど」

言葉を言い終わると、両親の反応を見る様に
黙り込むと、そんなの気持ちが解ったのか

「気を付けていってらっしゃい。
 外に出て行く時は閉じまりを忘れない様にね」

微笑しながら、母親の差し出された手の上には
玄関のカギが乗っていた。

「無くさない様にね」

付け加えられた言葉に頷き、母親から差し出された
カギを頷きながら受け取った。

朝食が終るまで、目の付く机の上置き
使った終った皿を洗い終わり、置いたカギを手に持ち
小走りで辞し手に戻り、カギに何かを付け様と
机の中や、小物が入っている箱の中を探すが
どれも、気に入る物が無く一時的に青いリボンを
カギ付けるとサイフの中に入れ、

再び両親のいるリビングは入って行こうと
廊下を歩いていると、
出勤の準備をして今にも出て行く両親を見送る為、
玄関を出て両親と共に門の所まで出て、見送り
家の中に入ろうと道路側に背を向けた時
視界の端に、隣の家から人が出てくる姿が見
動きを止め少し見ていると、帽子を被った少年が
出てきた。

「おはよう御座います。一先輩」

朝の挨拶をかけると
家の中から出てきた一もの方を見
挨拶を返した。

「おう、おはよう」

「今からお出かけですか?」

「クラブに行くだけたい、そぎゃん大層なモノじゃなか」

「確か、サッカーでしたよね。がんばって下さい」

「あぁ、じゃ俺は行くちゃ」

「いってらっしゃい」

少し言葉を交わし、両親と同じ様に言葉を掛け
姿が見えなくなるまで見送ると、は家の中に入って行った。


「さて、早めに手紙を出しに行く予定だったのに
 仕方ないか・・・・・午前中は家にいて、昼から外に出よう」

誰もいなくなった部屋に、の声が響くと、
足音はリビングに入り、ソファーに座りテレビのリモコンを
手に取り、電源を入れチャンネルを変えて行くが
興味を持つ番組はしておらず、テレビの画面を消し
自室の戻り為に廊下に出ると、何かに気が付いたかのように
玄関に向って走って行った。

「1人の時はカギを閉めなくゃダメなんだった!
 いつも、将がやってくれてからつい忘れちゃうんだよねぇ」

玄関のカギを閉め、1人呟く様に言いながら
自室に戻って行くと、本棚から小説を選び出し
椅子に腰掛けると、本を読み出した。

時計の音と、たまに通る車の音が聞こえるだけで
静かな部屋での読書がどれだけたったであろう、
最後の作者のあとがきを読み終え、本を閉じ
椅子から立ち上がり元にあった場所に本を返し
時計を見てみると、11時頃を指していた。

「ちょっと早いけど、外に出ちゃおう!」

机近くにあった、リュックを手に持ち、
カギを入れた財布、ハンドトオル、ティシュをカバンの中に入れ
最後に、昨日書き上げた手紙を折り曲げない様にカバンの中に入れ
タンスの中から白色で(服の名前)を取り出し、ブラウスの上から
着ると、玄関に向って走り出した。

下駄箱からシューズを取り出すと、急いで履き玄関のカギを開け
外に出ると先ほど開けたカギを閉め、門を通り道路に出た。

「とりあえず、学校に向って歩いていけば途中に
 ポストがあるだろうから、手紙は見つけ次第投函すればいいよね」

家の前で計画を立て、朝、一が歩いていった方向と同じ
方向に歩き出した。

間もなくして、郵便局があり外になったポストにハガキを入れ
再び歩き出すと、前の方から帽子を被った少年が歩いてくるのが見え
声をかけた。

「お帰りなさい、一先輩」

帽子を深く被っていたのか、名前を呼ばれ
いつもより少し上を見る様な感じで名前を呼ばれた方向を見ると
朝同様に言葉を返してくれた。

「こげん所で何しとるちゃ」

「手紙を投函してました」

「手紙?」

「はい。昨日お話した東京にいる兄に手紙を出したんです。
 て、この後、通学路の確認をしに行く所です」

「道を知っているのか?」

「あ!」

今までスムーズになされていた会話は
何かに気付いたという雰囲気をかもし出す声によって
終止符が打たれた。

「そういえば、知らないです・・・・・・・」

困った表情と言葉にカズは大きなため息をつき

「そぎゃん事やろう思った・・・・
 来い。連れて行っちゃる」

「え!?でも、クラブでお疲れなのでは?」

に背中を向け、今まで歩いて来た方向を
歩き出す一にが声をかけると
飽きれた表情の一が振り向き

「道も知らんのにどぎゃんして行くと?」

言葉を掛けると

「人に聞きながら、辿り着こうかと・・・・・・」

一の問いにが答えを出す。
が、再び大きなため息を付き

「そげん面倒な事しよるより俺と一緒に行った方が 
 早よつくたい。それとも、俺と一緒がイヤなら
 俺はココで帰るちゃ、どっちか選べ」

を見ると振り返かけると、に右腕を捕まれ

「イヤじゃないです!むしろお願いします」

言葉が言い終わらない内に掴んだ一の右腕を
引っ張り歩き出した。

「解ったから、そげん引っ張ることなか!」

に引っ張られ様に歩き出した一の言葉は
聞こえている距離なのだが離される事は無かった。

そんな奇妙な姿も歩き出せば、身長の高い一の歩調に
が小走りに付いて行く感じになり
捕まれた一の腕は段々前から真横になり
次第には後ろに代わっていった。

小走りの状態でも何とかして一の横を歩こうとする
の姿に、悟られ無い様にため息を付くと
少し、歩く速度を落すとの身体は直ぐに真横についた。

小動物を連れている気分たい・・・・・・・

離れては近づき
近づいては離れる。

一がいつもの速さで歩けば離れるし
少し遅く歩けば、直ぐに横にきる

1つ1つの動きが小さい為、一がの事を
小動物と思うのは仕方ない事だったのかもしれない。

もし、に向って言葉にすればどういう反応をするか
想像したくもなる。

そんなに小さくないです!

と、小さい体を大きく見せる様に前へ突き出すのか

それとも

そうでしょうか・・・・・と顔を下に向け考え込んでしまうのか

どれを取っても、さしも変わらない態度だった。

まぁ、嫌われるよりマシやな・・・


そんな事を考えながらを見ていると
の方も一の視線を感じたのか
不思議そうな表情をして一を見上げ声をかけてきた。

「どうしたんですか?私ナニかしましたか?」

「何でもなか」

「そうですか・・・・・
 それにしても学校て結構遠いんですねぇ」

少しずつ大きくなる校舎見ながらの
の言葉に一は首をかしげるが
直ぐに納得する答えが出てきた。

自分にとっては歩きなれている道でも
初めて来たに取っては何も知らない町並みが
広がっている為、遠く感じられる道のりだった。

一が思い付いた答えが合って折り
校門から家まで帰ってきたの一言は決定づけた

「行きはあれだけ長く感じられたのに、
 帰りは早かったですよねぇ・・・どうしてかなぁ?」

「まぁ、そげんモンやろ、
 これで、新学期から1人で行けるとね」 

「えっと・・・・・た・・・ぶん、大丈夫だと・・オモイマス・・・・・・」

「なんね、覚えられんかったと?」

「えっと・・・・・」

「解った、覚えるまで一緒にいったる」

「本当ですか!?ありがとう御座います!!」

お互いの家の前でかわされて約束はお互い
学生時代が終わりを告げるまで続くかどうかは
声を聞いた木々と空だけが知ってるのかもれない・・・・・